池尾和人研究会 慶應義塾大学経済学部

当研究会について

・1年間の流れ(2015年度)
  研究テーマ
  本ゼミとは
  サブゼミとは
  輪読を行う上で・レジュメの内容について
  パートゼミ・三田祭論文(三田論)とは
  卒業論文
・履修申告について
・ゼミ員
・過去の三田祭論文

■1年間の流れ(2015年度)


ゼミの活動は、主に本ゼミ、サブゼミ、パートゼミ、三田祭論文(三田論)、卒業論文で構成されます。

研究テーマ

池尾ゼミは、慶應義塾大学で22期を迎える歴史あるゼミであり、『日本経済の応用ミクロ分析』をテーマに活動を行っています。
日本経済に生起する様々な事象を経済学的ロジックで分析することが目的ですが、それには多角的(着目する主体、ミクロ的・マクロ的観点)に経済を観察する必要があります。本研究会ではマクロ・ミクロ経済学のオーソドックスなモデルや、企業金融(コーポレート・ファイナンス)といった様々な経済学的フレームワークを用いて日本経済の諸論点を学び、考えていきます。
1.現実における制度・枠組みの現状を理解した上で
2.それをどのような理論的枠組みで見ていくのかを考える
という流れが重要です。ゼミ内で経済学的フレームワークを直接扱うというよりも、それを土台に現実の制度・枠組みに向き合っていくという活動のあり方になります。
ゼミ内で扱うテーマは多様で、金融(銀行システムや市場のあり方など)や企業経営に関するテーマをはじめ、環境問題や社会保障を扱った文献をテキストにして輪読を行うこともあります。

本ゼミとは

3年生と4年生、そして池尾先生が毎週月曜4・5限に集まって行われます。
1年間を通じて同じ教室を使用し、春学期と秋学期で内容が変わります。
教室の前方に発表者と池尾先生が並び、そこに3年生が「コ」の字型に机を並べて着席します。4年生は3年生よりも外側・後ろ側に座る格好になります。
右に大まかな図を掲載してあります。基本的に座る位置に制約はありませんが、回数を重ねるにつれて誰がどこに座るのかはおおよそ決まってきて、1年を通じてほぼ同じ位置に座るようです。ちなみに4年生の机の配置が対称になっていないのは、教室の幅が足りないためです。

先生が指定された教科書の輪読を行います。あらかじめ配分された範囲について、毎回2人〜3人の学生が1人ずつレジュメを作成した上で発表し、それに対し先生に随時解説を行っていただきます。その後、学生が疑問に思ったことや関連した内容で議論を行い、先生にもご助言いただきます。
輪読の担当は原則として3年生のみですが、最初の1冊は4年生が担当し、3年生にお手本を示すことになります。なお、3年生の担当回数は1人あたり2回ほどです。
2015年度の本ゼミは以下の文献を扱った輪読を行いました。
・みずほ総合研究所『経済がわかる 論点50 2015』東洋経済新報社,2014年.
・小峰隆夫『日本経済に明日はあるのか』日本評論社,2015年.
・小黒一正『財政危機の深層―増税・年金・赤字国債を問う』NHK出版,2014年.
・『山を動かす』研究会『ROE最貧国日本を変える』日本経済新聞出版社,2014年.

サブゼミとは

4,5月の2か月間、3年生のみで、毎週水・金曜日の4・5限に集まって行われます。
池尾先生が指定したテキストまたは自分たちで選んだテキストの輪読を行うという、基本的に本ゼミに似たスタイルで行われます。机を移動する手間を省くため、サブゼミでは「コ」の字型の机配置にはしませんでした。
3年生の担当回数は1人当たり3回ほどです。
6月以降はサブゼミの代わりに、パートゼミで各班に分かれて活動するようになります。

輪読を行う上で・レジュメの内容について

本ゼミ・サブゼミの共通点ですが、発表者はテキストをただまとめるのではなく、テキストをまとめた土台に「+α」を盛り込むことが重要です。また、テキストを鵜呑みにせず、客観的な姿勢を持つことも重要です(ときに筆者の主張や分析が不適切な場合もあります)。「選ばれた本は、盲目的についていくための存在ではない」という認識が重要です。
レジュメは担当する分量や内容にもよりますが、おおむねA4で8枚前後(配布する際はA3で4枚前後)が実績値です。

パートゼミ・三田祭論文(三田論)とは

3年生が三田祭論文に取り組むゼミで、各パートの人数がおおむね等しくなるように(例年4人前後)編成されます。

6月〜夏休み

@パート分け
毎年4人×4パートで論文を作成します。
パート分けは6月上旬に行われます。直近の年度では、各自がまず興味のある分野などを挙げていき、黒板にキーワードを書いた上で共通するものを徐々につなげて4つのパートにしていきました。
一連のテーマ決めからパートの割り振りまでをゼミ員のみで行いますが、後述する証券ゼミナール大会に参加するパートがある場合、そのパートが扱う内容は大会のテーマに沿ったものになります。

A情報共有
・テーマに関する文献・新聞記事・論文・レポートなどを参照
・パートによってはレジュメで共有
先行論文やレポート類は完璧ではありません。時代や制度の変化もありますから、鵜呑みにしないことが大切です。
学内のデータベースを効率よく利用すれば、調べ物は大幅に効率アップします。
この時期はインプットを重ねることが重要です。「量より質」とは言いますが、量を積まなければ質の確保もままなりません。

B論文のテーマを絞り込む
・最初は「M&A」「中小企業金融」といったざっくりしたテーマなので、細かく絞り込む作業(範囲が広すぎると論文の内容が散漫になります)が必要
いわゆる「なぜなぜ分析」をすると話が見えやすくなるという声がありました。
例:「M&Aは買収だが、買収する意味は?→規模が大きくなるから?→なぜ規模が大きいとメリットなのか?→販路、事業拡大→具体的には?」など…

C問題点の洗い出し、構成を考える
・現状への理解を深め、今の仕組みが抱える問題点を見つけて解決策を考える
・結論に至るまでの議論を整理して章立てする(この時点ではあまり文章にはしない)

○集まる頻度
どこも最低週1回は集まり、チャットでの話し合いも週1回程度はしていました。春学期は三・Ecキャンパスでミーティングを行うことも多いのですが、夏休みは授業がなく、図書館が閉鎖されることもあるので・A・EEEeパートで集まるのに都合のいい場所(カフェなど)を見つけてミーティングを行うこともありました。
各自の予定がかみ合わないこともあるので、ツールを上手に使い分けることが重要です

○池尾先生面談
池尾先生と各パートのメンバーが面談をします。8月中に1回行います。試験直後になったパートもあります
大まかなレジュメを用意して内容を説明し、内容についてご指導いただきます
軸は「問題意識」で、構成や論理展開に破綻がないか否かが重要です

合宿(9月上旬)〜締め切り

合宿では、1パートあたりおよそ3時間の発表をしました。レジュメには現状分析や先行文献はもちろんのこと、面談を踏まえた内容もまとめます(A3で6〜8枚ほど)。
合宿で指摘された内容を反映して論文の作り込みを進めます。合宿後にテーマや内容が変わっていく班もあり、内容の一部を削る場合もあります。
三田祭期間に発表を行うのは1パートだけですが、三田祭に合わせて論文集を作成するため、三田祭のおよそ1週間前の締め切りは厳守でした。
各パートとも1回は本ゼミで論文のプレゼンをします。インゼミに参加するパートと、証券ゼミナールに参加するパートはそれぞれの発表前にもう1回本ゼミでプレゼンをしますので、計2回行うことになります。
三田祭前の発表は10月末で、三田祭後に上記3パートが再び1回ずつ発表を行います。

なお、4つあるパートは、その全てがゼミ外部向けの発表を行います。
各パートの外部向けの発表機会などは以下の通りです。「Activities」もあわせてどうぞ。
金融システムパート 11月下旬の三田祭でプレゼンを実施。
コーポレートファイナンスパート
金融手法パート
12月のインゼミでスライドを用いたプレゼンを実施。
投資信託パート 12月の証券ゼミナ・[ル大会に先駆けて論文を提出。
他大学の論文を読んで質問を考えておきます。
当日は改めてスライドを用いたプレゼンを行い、一連の内容を踏まえて他大学のゼミと討論します。

◆教訓
・ツールの活用
学内のデータベースなどを使えば、文献・情報収集が非常に効率的に行えます。どのようなツールがあるのかを把握し、特性に合わせて上手に使い分けましょう。
・得意分野の棚卸し
誰がどのようなことを得意としているのかを把握した上で仕事を割り振る必要があります。当然のことと思われるかもしれませんが、一歩立ち止まって冷静に考えないと、非効率な割り振りをしてしまいます。私のパートではグラフや表作りが得意な人が1人いたので、図表作成はその人がほとんど請け負う形になりました。
・情報共有
各回のミーティングで使った資料をどのように共有するのか、議事録は誰がつけるのかといったことを事前に決めておかないと、ミーティングの反省や改善点の把握が中途半端になります。ミーティングも直接顔を合わせることばかりではないので、いろいろなやり方を試してみるといいと思います。

卒業論文

4年生は卒業までに各自が卒業論文(卒論)を執筆します。
4月下旬からテーマの選定に入り、決定は夏休みの直前に行われます。合宿で中間発表を実施したのち、秋学期の本ゼミでも発表を行い(原則1人1回。人によっては2回)、1月下旬に完成・提出となります。
3年生が取り組む三田祭論文よりも個人ワークの色合いが強く、その分論文執筆のペース配分などを自律的に行う必要があります。

■履修申告について

ゼミ活動の中で履修申告の対象に入っているのが、(1)月曜4・5限の本ゼミ (2)卒業論文(4年生のみ) の2つです。ゼミ員は(1)(2)の両方を申告することが義務づけられています。
いずれも通年科目の扱いになっているので、秋学期終了時点で年間の評定が出されます。
 
4年生
3年生
本ゼミ
[月4・5]研究会a・研究会b(4年)
通年4単位
[月4・5]研究会a・研究会b(3年)
通年4単位
卒業論文
研究会(卒業論文)
通年4単位
なし
※この表は池尾ゼミのものであり、ゼミによって内容は異なります。

なお、池尾先生は三田で「企業金融論a・b」(こちらは土居丈朗先生と連名)と「日本経済システム論b」の授業を担当されています。
これら2科目の履修は義務づけられていません。ちなみに両方とも春秋別々の科目ですので半期ごとに評定が出ます。ゼミ生の多くはこの2つの科目を履修していますが、ゼミ生として履修が義務づけられている科目はありません。

■ゼミ員

・22期:17名(男子14名、女子3名)…3年生
・21期:15名(男子13名、女子2名)…4年生
・20期:18名(男子13名、女子5名)
・19期:16名(男子12名、女子4名)
※各期ともに入ゼミ試験時の人数です。留学により学年が異なるゼミ員が数名おります。

■過去の三田祭論文

すべてpdfファイルです。
2015 慶應義塾大学経済学部 池尾和人研究会