■研究内容

  私たち池田幸弘研究会は、ハイエクとフリードマンに代表される新自由主義に関する著作を読み経済政策から社会政策、個人個人の哲学に至るまで幅広く議 論しています。ただ、ゼミを志す皆さんの中には経済学史や経済思想についてあまりよく知らない人もいるかもしれないので、まずは新自由主義についてごく基 本的なことを説明したいと思います。
 新自由主義とはアダム=スミスが国富論で体系 的に説明した自由主義経済についての認識に端を発しており、後年ハイエクやフリードマンらが主張した自由主義的な政治・経済思想のことです。その考えは、資 本主義・市場メカニズムを重視すると共に個人・企業・社会に対する政府の干渉を最小限に抑え、様々な調整をできうる限り市場に任せ、それらの自由特に個人 の自由を優先することを目指すものです。実際に新自由主義的な考えに基づいた政策を実行した例として、サッチャー(英)、レーガン(米)、中曽根(日)等 を挙げることができます。また、最近では小泉・竹中両氏の改革が一部新自由主義的な考えを基に行われていました。それらの政権が行った具体的な政策として は、国有企業の民営化、減税、規制緩和、歳出の削減、自由貿易の推進などがあります。
では、次に自由主義とよく対比される考えとして挙げられるものとして、「社会・共産・集産主義」と「リベラル」という考えがあります。前者は資本主義を認 めず生産手段の公有化、所得の平等な分配など自由主義と対極にある立場であり、後者は資本主義の役割を認めつつも公平性を実現するには政府の介入が必要で あるとする立場です。ゼミで扱う著作ではハイエクやフリードマンはこれらの考えに批判的な論調をとりますが、ゼミ員間の議論では扱う分野や政策によってこ れらの立場も踏まえたうえで議論を行っています。かなり大雑把な説明となりましたが新自由主義という思想について少しでもわかって頂けたでしょうか。
最後に経済思想を学ぶことは単に過去の偉大な経済学者の思想がどのようなものであるかを学ぶだけではなく、そこから得た考えやそこに触れることによって形 作られた自分の考えを用いて、現在私たちが暮らす社会を見る目を養うことがその目的であると思います。現代の社会は複雑になってしまい、自由主義かリベラ ルか、開放か保護か、自己責任か全体の責任かなど簡単な2項対立では物事の本質を見ることは難しくなっています。そういった中、ある特定の考えに縛られる ことなく様々な考えと触れ合い議論することがそうした目を養う一助になってくれることでしょう。


■使用教材

・『自由の条件』(フリードリヒ・ハイエク)
・『資本主義と自由』(ミルトン・フリードマン)

■ゼミの様子


机をコの字型に並べて議論を行います。毎回熱い議論が繰り広げられています。


3年生側の様子です。


4年生側の様子です。一番手前は池田先生です!